登山を始めるにあたり、必ず行き着く疑問が「どんな靴で登れば良いのだろうか?」です。
スニーカーやランニングシューズでも登れないことはありません。中には足袋で登山をしたことがあるという猛者もいます。
そのため、トレッキングシューズは絶対ではありません。
しかし、山を甘くみてはいけません。ちょっとした油断が大怪我に繋がってしまうことがあります。
トレッキングシューズを履かずに登山するということは、ノーマルタイヤで雪道を走るようなものです。すなわち、危険度が数段上がってしまいます。
この記事を読むと次の事がわかります。
- 登山靴の種類
- 初心者のトレッキングシューズの選び方
- トレッキングシューズのおすすめブランド
目次
登山靴の種類
登山靴には以下のような種類があります。
◯ハイキングシューズ 平地や林道、軽いハイキングに適しています。 軽量でクッション性に優れ、長時間歩行しても疲れにいです。ハイキングはランニングシューズや軽量なスニーカーでも大丈夫なケースが多いですが、ハイキングシューズを履く事でパフォーマンスの向上は間違いなしです。 |
◯トレッキングシューズ 日本の山なら大抵は対応します。 ソールがある程度硬く、グリップ力があるため滑りにくいです。 初心者が登山を始めるならまずトレッキングシューズです。 |
◯アルパインシューズ 足場が不安定なガレ場や岩場に適しています。何日もかけて登山をする(縦走など)の場合は荷物が多くなります。そういった時にはアルパインシューズを履くと良いでしょう。 |
初心者が登山を始めるには、トレッキングシューズにするべきです。
なぜなら、トレッキングシューズは日本の山であればほぼ対応できる「オールラウンダー」だからです。
トレッキングシューズの選び方
トレッキングシューズは低山から高山まで対応できるオールラウンダーです。
しかし、トレッキングシューズにも種類があり迷ってしまう事でしょう。
初心者が選ぶ上で重視するべき項目は以下の点です。
- 足首の高さ
- 防水性
- アウトソール
- サイズ
- デザイン
では、それぞれ解説します。
足首の高さ
足首の高さは大きく分けると3種類あります。
- ローカット(足首の高さが低い)
- ミッドカット(足首の高さがやや高い)
- ハイカット(足首の高さが高い)
ローカット(足首の高さが低い)
ローカットはハイキングや軽登山向きです。
足首の固定がスニーカー程度と考えても良いでしょう。
普通のスニーカーよりソールが硬く、砂利道でも快適に歩く事ができ、滑りにくくなっています。ハイキングや野外フェスで大活躍します。
ミッドカット(足首の高さがやや高い)
足首の固定もされており捻挫予防に繋がります。
日本の山であれば、ミッドカットで大半は登れます。
さらに、登山靴に慣れるという意味でも、中程度のミッドカットは適しています。
初心者はまずミッドカットが良いでしょう。
ハイカット(足首の高さが高い)
ミッドカットよりさらに足首を固定してくれます。ガレ場や高山登山に向いています。
一見すると、ミッドカットより優れているように思えますが、そこには弱点もあります。
ハイカットのトレッキングシューズは、ミッドカットと比較すると重量があり、また足首も高くホールドされているため、初心者は歩きにくく感じるかもしれません。
そのため、繰り返しになりますが、初心者はミッドカットが良いでしょう。その後、登山に慣れていき、必要性が出てくればハイカットの購入を検討することをおすすめします。
防水性
山は急に雨が降ってきたり、水溜りがあることもあります。そこで、防水性が低い靴で歩くと、中まで水が浸透してきます。足が濡れると不快感があり、せっかくの登山もどこか気持ちが悪いまま行うことになってしまいます。
そのため、防水性は案外重要です。
やはり一番のおすすめはGore-Tex(ゴアテックス)素材を使用しているものです。
※余談ですが、プロの冬山登山家は足が濡れることをなるべく避けます。なぜなら、濡れた指が冷え固まってしまう(凍傷)の恐れがあるためです。そのため、防水性という点は欠かせません。
なお、Gore-Tex(ゴアテックス)はマウンテンパーカーなどウェアにおいても非常に優秀です。
アウトソール
アウトソールはかなり大事です。歩行性は当然ですが、やはり「滑るか、滑らないかが重要です」。
ソールは「ビブラム社製」のソールであれば間違いありません。
登山靴の多くにビブラム社のソールが使用されています。
ビブラム社はイタリアの登山家によって1930年代に創業され、今もなお幅広く使われております。普段履くスニーカーやサンダルも、ビブラム社製だと安心です。
しかし、その他のソールがダメかといったらそうではありません。その辺りは口コミを見ることをおすすめします。相当マイナーでなければ、滑るかどうかも口コミされていることでしょう。
サイズ
サイズが適正でないと、靴づれや疲れの原因になってしまいます。
そこで注意です。
試着した時にぴったりサイズはNGです。
というのも、登山に適した靴下が厚手なものが多いためです。
いつもよりプラス0.5cm〜1.0cmぐらいゆとりがあると良いでしょう。
しかし、「大きすぎた!」という事が起きそうで怖いですよね。
しかし、それには対策があります。
それはズバリ、中敷です。中敷を敷く事で、サイジングは一回り小さく感じ、さらにクッション性も増すため疲れにくさに繋がります。
ただ、実際に試着する時に登山用の靴下を開く事が可能なら、それが一番です。
デザイン
デザインはときめくものにした方が良いです。
性能のみを重視して、デザインが好みでないと履いてもいまいち気分が上がらないなんてことも。
デザインで気になるものを見つけ、そこに性能が備わっているかを見るという順序が得策です。
トレッキングシューズのおすすめブランド
トレッキングシューズのおすすめブランド(商品)を上げていきます。
SALOMON(サロモン)
先ほどアウトソールはビブラム社製であれば間違いないと言いましたが、サロモンは独自に開発している「contagrip」を採用しています。
肝心の性能としても非常に優秀で、快適に登山をする事ができます。
KEEN(キーン)
デザイン重視ならKEENです。近年、常に革新的なシューズを出しているKEENはデザインがかなりかっこいいです。
MERRELL(メレル)
MERRELL(メレル)を買えば間違いは少ないです。デザイン、性能どれをとっても完成度が高いです。
caravan(キャラバン)
登山初心者といったらcaravan(キャラバン)を勧める人が多いです。
日本のブランドだけあり、日本人にとって非常に歩きやすい作りとなっています。
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)
登山もおしゃれにしたい!という方はTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)がおすすめです。
圧倒的に名の知れたブランドであるノースフェイスは、デザイン性が抜群です。もちろん、履き心地や性能も安定しています。
まとめ「初心者の登山靴の選び方」
初心者が登山を始めるにあたって、選ぶべき登山靴をまとめます↓
- ハイキングシューズでもアルパインシューズでもなく、オールラウンダーであるトレッキングシューズを選ぶべし。
- ローカットでもハイカットでもなく、ミッドカットを選ぶべし。
- Gore-Tex(ゴアテックス)素材であり、ビブラム社のアウトソールであれば性能は間違いなし。
- 口コミを読むべし。
- デザインはかなり重要。
なお、初心者であっても、縦走登山がしたい!という方であればアルパインシューズの方が適しているでしょう。反対に、ハイキングや低山を登れれば十分という方はハイキングシューズがマストです。
まだ明確に登りたい山の方向性が決まっていない方は、上で挙げたことを守れば、きっと快適な登山ライフが遅れることでしょう。